ソリドゥス金貨とは、4世紀のローマ皇帝・コンスタンティヌス1世の時代からローマ帝国・東ローマ帝国で製造された金貨の総称のことです。
東ローマ帝国では、「ノミスマ」として称されました。
広い範囲で流通したソリドゥス金貨は、ローマ時代の地中海の繁栄の証とも言われています。
この記事では、コンスタンティヌス1世の歴史や、ソリドゥス金貨を発行するにあたった経緯についてご紹介いたします。
□コンスタンスティヌス1世について
コンスタンティヌス1世は別名、ガイウス・フラウィウス・ウァレリウス・コンスタンティヌスと言います。
ディオクレティアヌス帝時代のローマ帝国の西の副帝であり、その後正帝として約10年間君臨しました。
軍人皇帝時代から、君主が存在する政体である専制君主制の発展に貢献し、「大帝」と称されます。
1330年には、アジアなどとの商業をより活発にするために、現在のイスタンブールに位置するコンスタンティノープルへ遷都したことも有名です。
ほかの主な業績としては、小作農の移動を禁止したり、職業の世襲化を進めたりして、身分を固定させたことや、ミラノ勅令を発布して、全ての帝国市民のキリスト教をはじめとした多くの宗教の信仰を認めたことなどが挙げられます。
□ソリドゥス金貨を発行するに至った経緯とは?
ソリドゥス金貨は、コンスタンティヌス1世によって、当時のインフレといった不安定な経済状態を解消させるために発行されました。
エリザベス1世の
「悪貨は良貨を駆逐する」
という言葉があるように、通貨改革を行う際は、全ての貨幣を良貨にしなければ、市場には悪貨しか出回りません。
ソリドゥス金貨の最大の特徴は、一枚あたりの金の含有量が定まっていることです。
ちなみに「ソリドゥス」とは、ラテン語で、びっしり詰まって固まった状態を意味します。
そのため、純度が維持されたソリドゥス金貨は、信頼度が高く、長い間「国際通貨」となりました。
ソリドゥス金貨は、地中海交易が繁栄した大きな要因になっています。
□最後に
この記事では、コンスタンティヌス1世の歴史やどのような経緯でソリドゥス金貨というものを発行するにあたったのかについてご紹介しました。
「中世のドル」と称されるほど流通したソリドゥス金貨から、コンスタンティヌス1世がいかに偉大だったかということがわかりますね。
持っているだけで、長い歴史を感じることができることは、硬貨の大きな魅力の一つです。